事務所通信8月号
特例事業承継税制が適用できるかどうかのチェックポイント
利用しやすくなり関心の高い特例事業承継税制(特例税制)ですが、
適用には、先代経営者、後継者、会社に一定の要件があるため注意が必要です。
先代経営者は、相続等の開始前までに、代表者であったこと、
被相続人と同族関係者で議決権株式総数の50%超を保有し、
かつ筆頭株主であったことなどが要件で、後継者は、
株式の贈与までに代表者であること、役員就任後3年を経過していること、
同族関係者のなかで、議決権数の最上位者であること、などが必要です。
会社は、資産管理会社(一定のものを除く)、医療法人、社会福祉法人、
風俗営業会社などは適用対象外になるため注意が必要です。
月次決算データは経営者と社員、金融機関、会計事務所との共通語
月次決算は、毎月の業績をいち早く掴み、経営に役立てるものですが、
月次決算データを経営者だけが利用するのではなく、
経営者と社員、金融機関、会計事務所と間で業績を見るための
共通語として経営に活かしましょう。
月次決算データを共有化することで、
経営者と社員が同じ方向を向いて営業活動に取り組むことができます。
金融機関に対しては、経営状況を経営者が説明することで、
金融機関からの信頼が高まります。
会計事務所との間で、月次決算データを対話ツールとして活用し、
的確なアドバイスを受けましょう。
月次決算データを共通語として経営に生かすには、
月次決算の早期化と精度の向上が必要になります。
そのためには、売上、仕入れを早期に掴む仕組みづくりや経費の月割計上、
概算計上などについて、自社に合った経理処理を当事務所とともに検討しましょう。
労務トラブルを防ぐためのルールブックはありますか?
「働き方改革関連法」は、経営者にとってみれば、労働規制の強化といえます。
しかし、中小企業では、労働法規の理解が不十分のまま、
雇用についての最低限のルールすら守られていない例が多くあります。
近年、従業員の労働法への意識が高まっており、在職中は何事もなくても、
退職後に訴えを起こされる例も決して少なくありません。
まずは、会社のルールブックとして、作成義務の有無に関わらず、
就業規則を整備しましょう。
就業規則は、労務トラブル防止に役立つほか、
社員が安心して働けるという効果があります。
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