事務所通信6月号
会計:限界利益が固定費を上回っていますか? 変動損益計算書で経営を見える化する@(全3回)
変動損益計算書は、費用(経費)を、売上の増減に伴って変動する変動費(材料費、外注費など)と、
売上が増減しても変動しない固定費(賃金・給与や地代家賃など)に分類し、
売上高から変動費を差し引いた限界利益、そこから固定費を差し引いた経常利益を算出しています。
限界利益は、粗利益とほぼ同じもので、企業の純粋な稼ぎ高であり、
これが固定費を上回ることで固定費が賄えるのです。
固定費を限界利益率(限界利益÷売上高)で割れば、
赤字でも黒字でもない損益トントンの売上高である損益分岐点売上高を簡単に求めることができます。
変動損益計算書をもとに、売上高、変動費、固定費、限界利益の数値をシミュレーションすれば、
数値にもとづいた的確な経営判断ができるようになります。
金融:確認しておきたい 追加融資と借入金返済への備え
新型コロナの影響が長期化するなか、追加融資が必要となるケースも出てきます。
昨年来の新型コロナ関連融資では、財務内容よりも迅速さが優先され、
融資が受けやすい状況にありましたが、追加融資は審査が厳しくなることが予想されます。
追加借り入れの際には、直近の試算表、前年同月の売上高、資金繰り表などの資料をもとに、
資金使途、必要資金額、返済可能性について金融機関に説明しましょう。
また、既存借入金の返済開始も始まります。返済原資を確認し、
借換えや返済条件の変更(リスケジュール)についても検討しましょう。
政府系金融機関の新型コロナ関連の融資・保証についても、
期限や対象要件等が見直されることがあるため、最新情報に注意しましょう。
トピック:押印のない契約書、証憑書類は有効なのか?
官民において押印廃止が進められるなか、
押印の法的効果や押印のない文書の責任の所在や意思確認について、さまざまな疑問もあるでしょう。
@押印の法的効果は、本人の印章(はんこ)によって押印された印影は、
本人の意思に基づく押印と推定され、その本人が作成したものであると推定されることにあります。
A契約書、請求書、領収書などへの押印を廃止しても、法的には有効ですが、
文書の真正な成立の過程を裏付ける資料などを残しておく必要があります。
B民間同士の取引において、責任の所在や意思を明確にしておきたい場合には、
従来どおり書面に押印することも必要です。
しかし、押印廃止の先には文書のデジタル化があり、
今後は、電子署名や電子認証サービスを活用した文書のデジタル化が進むでしょう。
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