構造的意思決定W&戦略的原価計算T
材料在庫(過去取得材料)の取扱い
在庫として保有している材料(過去取得材料)の購入原価は
過去原価であるため埋没原価となる。
しかし、材料費は売上原価の一部を構成し、損金に算入されるため、
法人税等を節約する効果(タックス・シールド)があり、これをキャッシュ・インフロー
として考慮しなければならない。
未来予測と不確実性
意思決定は、将来の事象を正確に予測できるものという仮定のもとで行われる。
しかし、将来予測は、少なからず不確実性を有しているため、その不確実性を考慮し、
将来起こりうる事象をすべて考慮して意思決定を行う場合がある。
この場合には、将来起こりうる事象の確立を探り、その確率にもとづいた
期待値(加重平均)をキャッシュ・フローとして考慮する。
設備投資とインフレーション
インフレーションとは、貨幣の一般購買力が低下し、
継続的に物価が上昇する現象をいう。
インフレーションは、設備投資の意思決定において重大な影響を与えるため、
これを考慮して計算する必要がある。
- 名目資本コスト率
- インフレーション下での年々のキャッシュ・フローおよび現在価値計算
名目資本コスト率とは、実質資本コスト率にインフレ率を加味した資本コスト率である。
なお、名目資本コスト率、実質資本コスト率、インフレ率には一定の関係がある。
インフレーション下の設備投資によって生じる年々のキャッシュ・フローは、
インフレーションを考慮した名目キャッシュ・フローで計算し、
これを名目資本コスト率で割り引くことにより現在価値を計算する。
資本配分
資本配分
設備投資予算の資金に制約がなく、すべての投資案が独立投資案であれば、
正味現在価値法あるいは内部利益率法によって
有利と判定された投資案全てに投資すればよい。
しかしながら、実際には、企業外部ないしは企業内部の要因により、
設備投資予算の資金制約が置かれる場合が多く、
投資案に使用できる資金枠や調達すべき資金額を考えながら
投資案の選択を行わなければならない。
このような状況下において、投資利益が最大となるような投資組合せ(最適投資)
を決定するのが資本配分の問題である。
ライフサイクル・コスティング
ライフサイクル・コスティング
ライフサイクル・コストとは、製品、システム及びサービスなどの研究開発から
廃棄処分にいたるまでのライフサイクル全体(一生涯)にわたり
発生するコストである。
そして、ライフサイクル・コスティングとは、
研究開発から廃棄処分にいたるまでのライフサイクル全体で発生するコストを
測定し分析するための手法である。
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